新宿・飯田橋のカウンセリングルームNY心理のブログ

夏の甲子園2021年より

色々と物議を醸しだしたオリンピックも終わり、
2年ぶりに夏の甲子園が爽やかにスタートしました。

選手代表 小松大谷高等学校野球部主将 木下仁緒さんの宣誓の一部を紹介しますね。

「思いを形に」その言葉を胸に、自分の目指すべき道を定め、友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ、世界のアスリートから刺激を受け、一歩一歩、歩んできました。
人々に夢を追いかけることの素晴らしさを思い出してもらうために、気力、体力を尽くしたプレーで、この夢の甲子園で、高校球児の真(まこと)の姿を見せることを誓います。

木下主将はこの宣誓文を部員仲間と皆で考え、現国の先生に見てもらい、100回も練習して臨んだそうです。きりっとして素晴らしかったですね。

さて、木下主将の言葉選びに注目してみましょう!

「友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ、世界のアスリートから刺激を受け、、、」
一生懸命、コツコツと日々頑張ってきた人の心からの言葉だと思います。誰かが書いた文章を棒読みするのではなく、鼓動と汗が伝わってくる素晴らしい宣誓だったと思います。

また、木下主将は単に、球児や若者だけにではなく、「人々に夢を追いかけることの素晴らしさを ”思い出してもらう” ために、、」 と、すべてのジェネレーションに向けてメッセージを伝えているのです。「そうだな~、昔なんだかムキになって頑張ったことあったな~」なんて、その頃の情熱を懐かしく思いだして胸が熱くなってきた方もいらっしゃる事でしょう。

「思い出してもらう」という一言が入っただけで、彼の宣言のメッセージ性の幅は広がって意味を深めたと思います。 言葉には力がありますね。

■ことば選び

私たちが普段何気なく使っている言葉ですが、人によって受け止め方が随分違います。
例えば、木下主将の使った「友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ」の例をとりますと、「友の笑顔に包まれ、家族の深い愛情に励まされ」としていたら、友と家族への距離感のニュアンスがちょっと違ってきますね。
このチームの友はもっと積極的にかかわりあっていて、一方、家族はそのそばで、そっとささえてくれていたという雰囲気は、木下主将のオリジナルの宣言の方がちゃんと伝わってくるような気がします。
言葉は人間関係において、距離や温度を伝えてくれます。
だからと言って、人と揉めることや、傷つく事を恐れて曖昧な表現ばかり使っていると、語彙が減り、私たち自身の内面も細ってくることにもなりかねません。

それでは一体どうしたらいいのでしょう?
ことば選びも一種の訓練が必要です。 ご自分を強くするのも、また前向きにしていくのも言葉からです。

NY心理では、皆様のことば選びの訓練と申しますか、センスの磨き方のお手伝いをさせて頂きます。 最後まで読んでくださった皆様の、今日のお疲れが取れますように。
また、ご縁がありますように。

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